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モザイクしてみた [天体写真]

先日のIC348と、去年11月末に撮ったNGC1333をモザイクしてみました。

IC348NGC1333mosaic2.jpg

パッと見は特に問題がある気もしないのですが、10秒見ると・・・。
何が問題って。
カラーバランス等、処理の問題以前に、写真右側のNGC1333領域が、ピンボケという。。。
微恒星の大きさが違う~。

ピンボケNGC1333ですが、バーティノフマスクを付けないで気持ちでピントを合わせた最後の作品でした。
ライブビューで星が一番小さくなったところ~♪って合わせていましたが、無理があるようです(汗)
10分20枚でしたが、ピント移動もあったのだろうと思います。


まぁ、1年前にモザイクなんて考えが無く、重なったところはこんな感じでした(汗)
ほとんど重なっていないという。。
IC348NGC1333mosaic1.jpg

最後に縦掛け軸でお茶濁し。
IC348NGC1333mosaic3.jpg

ネタも無く月が大きくなってきたので、モザイク処理を勉強中。
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あ~キツかった IC348 [天体写真]

個人的に、写すだけなら対象の色が赤<青<白<黒の順で難しくなるなぁと思うのであります。
(黒が最も難しく感じ、赤が改造カメラならイージーだという意味)

これはキツかったです。もう限界。。IC348周辺。

IC348.jpg

2014/09/26 22:13露光開始 石狩市厚田区別狩 4℃
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION ShortTube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
10分x23枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク15枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)

4時間(24枚)撮ったぞ~って思ったのに、家に帰ったらどう数えても23枚。
3時間50分。う~ん、おしい。

う〇こ系、黒いやつ。かっこいいんですが、完全に8.5cmじゃ厳しい対象と思いました。
少しずつ少しずつ上から薄皮を剥いで、背景を整えるというか。
背景と輝度差が無いので、難しいです。
短気に、大胆にレベルを切り詰めたら一発でさようなら系でした。。

1枚撮って出し。改造カメラ&LPS-P2&WB=太陽光の盛大赤カブリ♪
1mai.jpg

私の処理能力の限界を感じました。
よくここから出てきてくれた。ありがとう。

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フルサイズ初チェック [機材]

足の小指を椅子や机の脚にぶつけて、本格的に痛みを感じるまでの、あの1秒くらいの時間の嫌なこと・・・。

先日の撮影中に「今日も星がキレイだなぁ」なんて、空を見上げながら暗闇を散歩。
足に何かぶつかりました。

何だろうと見てみると「Canon EOS5D mark II」って書いてありました。
散歩もするもんですね(笑)

フルサイズじゃんっ!!ってことで、初めてフルサイズのカメラを装着して写してみました。

時間がなかったのでISO6400、2分の速射。レデューサー付。ガイドは超テキトー。
撮って出し。
M42fulltest.jpg

フルサイズ、何が気になるって、イメージサークルとの関係と四隅のケラレ。
レベル切り詰め↓
M42fulltest2.jpg
下の陰りはショック緩和のスポンジかなぁ・・・(私のkissはスポンジ切ったら消えました)。

予想通り酷いとも言えるし、余裕で修正可能な気もする。。
フラット撮ればよかった。。

ケラレより深刻な問題発見↓
M42fulltest3.jpg

写野下側の輝星にCCDでいうブルーミングみたいな線が入っています。
見にくいですが右側の星にも。
下側のみなんで、スケアリングか、マウントか何かに反射した光のせいかなって思っていますが、これを解決するのは大変そう・・・。

カラーノイズが出てません(300%)↓
testfullcolorless.jpg

よく、「フルサイズは(格下機種より精度のいいCMOS使っているから)写りがいい」と言われてますが、これは単純にローパスフィルターが入っているからでしょう。未改造なんで。
変なノイズ出ないように、メーカーも研究してるなぁ。
改造して外しちゃったけど。

レデューサー付きで327mm、かつフルサイズ。広いですね。
M78(左上)~馬頭~オリオン大星雲まで全部入ってやんの・・・。

umafulltest.jpg


とりあえず要らないなぁと思って、草むらに返しておきました。
(Oさん、撤収間際にありがとうございました)


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ここはどこ・・・sh2-140, 145, 150 [天体写真]

撮りたい所が昇ってくるまでの時間潰しにとりました。
が、何のプランも無かったので現地でステラナビみて「赤そうなとこでも撮っておくかぁ」くらいの感じで撮りました。

自分で撮って初めて見た領域という(汗)
右上:sh2-140、真ん中:sh2-145、左側中央付近:sh2-150・・・・らしいです。

sh2-140.jpg

2014/09/26 20:01露光開始 石狩市厚田区別狩 6℃→4℃
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION ShortTube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
10分x10枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク12枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)


設置して間もなく外気に順応していない鏡筒で撮影、かつ冷え込んできたからか、ピント移動が激しく・・・。
ついでに極軸ズレで周囲の回りっぷりも激しい始末でよろしくない感じでした。
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sh2-154と155(洞窟星雲)辺り [天体写真]

洞窟星雲(下側、sh2-155)とsh2-154付近です。

sh2-155.jpg

2014/09/22 20:09露光開始 石狩市厚田区別狩 10℃ 
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION ShortTube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
10分x13枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク15枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)

sh2-155洞窟星雲は、この写真でいう下側が写真対象としてはメジャーで、バブルやクワガタと一緒に撮られることも多いと思います。
あまのじゃく根性で、洞窟の上をいってみました(笑)

先日の放り投げたM33と対照的に、自分なりにちゃんと(?)処理してみました。
ちょっと気に入らないところもありますが、破綻が見えてきたのでこの辺にしておいた感じ。
輝星がちょっと太ってしまいました。

晴れたので行ってみましたが、かなり透明度が悪く、途中は雲でかなりの時間を中断しました。
20枚撮ったのですが、雲の影響で7枚ボツ。
それでも2時間分は確保できたので、よかったかなぁ。


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無理矢理撮ってみたM33 [天体写真]

さんかく座の銀河M33。
お手本のような赤いブツブツは中々出ませんねぇ。。

M33_140921.jpg

2014/09/21 20:50露光開始 石狩市厚田区別狩 10℃ 
FSQ-85ED 450mm F5.3
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION ShortTube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
10分x10枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク6枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)

荒れがバレバレですが。これくらいで撮れたら面白いだろうなぁ~。
M33up_140921.jpg


9月20日は所属同好会のキャンプでした。
森の中の公共施設でのキャンプでしたので、最初は宿泊されている方にも見ていただく観望会でした。

Sa.jpg
(札幌天文同好会HPより勝手に拝借。たぶん会員のKさん撮影)

会員のUさんの40cmドブのとなりの8.5cmの私の望遠鏡・・・。
おもちゃ同然。

ご覧の通り、強烈に明るい中での会でした。
地理的には非常に暗い地域ですので、天の川はくっきりはっきり。

この後、街灯を施設の方に消していただいて朝まで撮影・・・のはずが、諸々の事情により街灯が消えないことに。。。。。

どうしようかと皆で悩んでいたところ、ちょっと雲が出てきたので撤収して飲むことに。
宿泊ロッジの辺りは暗く、途中で部屋を出ると全天天然プラネタリウム(泣)

外は真っ暗。快晴。で、坊主。
天体写真が仕事だったら、完全に始末書レベルでした。

翌朝、帰って昼寝して、起きたら快晴。
不完全燃焼だったので、撮影に出かけて、透明度がイマイチの中でM33を撮ってみました。

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月が出るまで2時間しかないよ(北海道編) その3 NGC6820/6823 [天体写真]

おりおんさんのパクリ企画もこれで最後です。
また同じことをしてしまったらよろしくお願いいたします(汗)

月が昇る前に可能な限り撮ろうと思って撮りました。
10分7枚で月に負けました。

NGC6820 (Sh2-86)です。

NGC6820.jpg

2014/09/14 20:17露光開始 石狩市厚田区別狩 7℃ 
FSQ-85ED 450mm F5.3
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION shorttube80、SBIG ST-i + PHD guidingによる恒星ガイド
10分x7枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク8枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)

はくちょう座の頭付近のこぎつね座。M27のご近所で天の川の中の星雲です。
季節外れの一品。
今年は7月8月と全然ダメでしたので、未練がましくストーキングしました。

M16の創造の柱のような構造があります。
何とか写った黒いニョッキがそうです。
ナローバンドで撮った写真だと、その構造に萌え~なんですが・・・。

あわ~いガスが星に埋まっていて、露出を伸ばしたら面白い領域なのかなと思いました。



何となく、カメラの調子が悪い気がしてる今日この頃。。。


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月が出るまで2時間しかないよ(北海道編) その2 ジャック彗星 [天体写真]

著作権侵害シリーズ。

月明かりに負けそうな(負けてる)ジャック彗星C/2014 E2 with アルビレオ。
先日の月の前に撮りました。完全に企画かぶり(汗)

AlbireoandJaque.jpg

2014/09/14 22:26露光開始 石狩市厚田区別狩 7℃ 
FSQ-85ED 450mm F5.3
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION shorttube80、SBIG ST-i + PHD guidingによる恒星ガイド
1分x20枚 恒星基準コンポジット。
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク10枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)

暗くなったのか月明かりに負けたのか、弱弱しい彗星となりました。
月にビビッて1分露光です。かなりアンダー。

右下はアルビレオ。
全く分離していません。
露光20秒なら分離してましたが1分じゃ肥大化してか、ダメでした。

極軸不良からか、回ってるし。。。

全然ダメでしたが、撮れてよかったことにします~。


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月が出るまで2時間しかないよ(北海道編) その1 月 [天体写真]

某超人気ブログの企画の100%パクリです(大汗)
すみません。

不意に時間が出来て、かつ晴れていたのでちょっと撮りたいなぁとお出かけ。
月が出る前に・・・と、頑張ってみましたが、あっという間に月が出たので久しぶりに撮ってみました。
(向きがテキトー過ぎますが)

AutoGrab140914001_pp.jpg

2014/09/14 23:41露光開始 石狩市厚田区別狩 7℃(寒) 
FSQ-85ED 450mm F5.3
シャッタースピード:1/500 sec
SBIG ST-i (KAI-340M) CCDOps5のPlanet Masterで撮像
SXP赤道儀 ノータッチ
トリミング無し
画像処理:200フレームをAvistack2で処理(フラット、ダーク処理なし)

宝の持ち腐れ、SBIG ST-iで真面目に撮ってみました。
センサーサイズは小さく、4.73mm×3.55mm。画素数は646×486画素(約30万画素)。16bitモノクロ。

しかーし。
200フレームをAvistack2で処理しただけです。
画像が小さいのは避けられませんが、私の月(滅多に撮りませんが)の中ではベストでした。
結構お気に入り。

一応EOSでも撮ってみました。
5倍クロップで撮ったので分解能的にもイマイチで、動画の場合は8bitです。
ギリギリはみ出たので2枚モザイクです。

PSmoonFR1+2.jpg

FSQ-85ED 450mm F5.3
ISO:100
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀 ノータッチ
モザイクエラーの箇所だけトリミング
画像処理:500フレームをAvistack2で処理(フラット、ダーク処理なし)後、PSでゴソゴソ・・・。

全然、ダメですね。
撮影方法の問題と処理の問題の両方があると思いますが、まぁ、私のシステムだと月はこんなもんかもしれません。
これから月を撮る時はCCD使った方が圧倒的に良さそうです。


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さっぽろ星まつりとか避難勧告とか [その他]

北海道、特に札幌を含む石狩地方と函館などの道南地方は、ここ数日激しい雨に見舞われています。
石狩地方は地震も少なく、なんだかんだで台風直撃も滅多にない、災害が少ない地域=災害に弱い地域であります。

11日未明、夜中3時くらいだったでしょうか。
雷が物凄く、それに過敏に反応するうちの巨大犬がうるさい(滅多に吠えないのですが)。
その内、私と嫁さんのケータイが騒ぎ出しました。

「避難勧告が発令されました」と1時間くらいに渡ってガンガン鳴る鳴る。
うちは避難はしませんでしたが。。

先日の広島での大災害もあったことですし、行政としては情報を出さないわけにはいかないという思惑も見え隠れしますが、確かに酷い雨でした。

私が幼少の頃に過ごした場所が酷く、通っていた小学校が避難場所になっていました。
市内中心を流れる豊平川が少し溢れ、幼少の頃よく遊んだ厚別川は道路をえぐったようです。

その日の夜は、私の住む地区では、雲が多いものの比較的透明度の高い空が広がりましたが、未だ隣の江別市では6割の世帯で断水が続いています。

閑話休題。

先週の6日、7日は札幌市青少年科学館主催の「さっぽろ星まつり」で、市内の愛好家が約20台の望遠鏡を並べて、来場された市民のみなさまに星を楽しんでいただきました。
50cmドブソニアンから、30cmクラスのシュミカセ、大小様々な屈折式が並びました。
私の8.5cmは最少か下から2番目くらいの大きさ(笑)

会場は農業体験施設が充実した、さとらんどという公園。
初日は運営速報で5000人が来たらしいです。
正しい数か不明ですが、確かに私の望遠鏡ですら見るのに15分は並んで待っていたのではないでしょうか。
2日目は日曜とあってか空いていました。

雲が多かったものの、時折、晴れ間が広がるなど、まずまずだったのではないでしょうか。

iPhone撮影。かなりアンダー。。。

会場。白いのは私の車・・・って、かなり白い車が多い(汗)
HF2.JPG

南側。中心に小さく見えるのが札幌市中心部。夕刻なのでビルが上がってきましたfrom エヴァ。
HF1.JPG

北側。隣のモエレ沼公園の巨大人口山が見えています。
HF3.JPG


科学館の方> (って、見てないか)
大変お世話になりました。
来年は交渉して、是が非でも公園中心部のロッジ(?)前を使わせてもらいませんか?
お客さんが倍になる気がします。
(デジタルシアター終わって、「望遠鏡の所は遠いから帰ろう」っていう方が多数いた模様です)




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クエスチョンマーク星雲(の一部) NGC7822/Ced214 [天体写真]

先日のジャック彗星の前に撮りました。
透明度がそんなに良いわけではない・・・・という雰囲気が良く表現されています(汗)

question.jpg

2014/08/30 22:17露光開始 石狩市厚田区別狩 15℃ 
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION ShortTube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
5分x24枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク10枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)


シマシマノイズにビビッて5分/1枚です。
甘かったです。淡いところが良く出ませんでした。

最近にしてはかなり強めのノイズ処理をかけました。
手元にある天ガ9月号の表紙に影響されました(笑)
背景のノイズをつぶす方法を確立しようと、試行錯誤しています。
難しいですが、なかなかやり応えがあります。

当日はいつもの場所で5名もいて賑やかでした。楽しかったです。

週末は「さっぽろ星まつり」というイベントに参加です。
久しぶりにアイピース付けます(笑)
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コンポジット枚数と高質化の関係 8枚か9枚か (長っ) [画像処理]

ベテランの方が見たら「は?何を今さら」という、つまらないことを歴2年に満たない私がダラダラ講釈を垂れてみる。。。

いや、何回かお話ししたことがあったのですが、ほとんどの方に理解して頂けませんでしたので、書いたら分かるかなぁという思いです。

このブログを将来的に放置することになっても、誰かが検索で飛んできて目に留まるかもしれない。
私はそんなブログやHPに随分と助けられてきました。

何の話しかと言えば、

「N枚重ねたら、N倍質が良くなることは無い」

正解は、√N倍です。


何故か。

N枚重ねるとシグナル(星や星雲。写真の決まった場所に観測される明るい信号)は確かにN倍になると考えても差し支えないです。
(ホットピクセルなど決まった場所に出るノイズはシグナル扱いとなりN倍になります。)

しかし、ランダムノイズも√N倍になります。
これは、分光学の特性です。詳細は他に譲ります。
ノイズは1/Nになる(2枚重ねたらノイズが半分になる)という方が多い印象です。



一方、いわゆるトーナメント方式と言われるコンポジット方法があります。

↓8つのフレーム(F1~F8)を重ねるモデル図です。
T1.jpg

2枚ずつ重ねて、重ねたもの同士を重ねて・・・という方法。
1枚1枚の質をチェックしながらという意味でも、大変優れた方法です。

通常は2の累乗(べき乗)の枚数(2枚、4枚、8枚、16枚、32枚・・・)の枚数が必要です。
図中の%は完成図1枚に対する各々のフレームの寄与率になります。
3枚とか5枚とか、通常のトーナメントを組めない場合も一応、計算してこの方法でコンポジットすることは可能ですが、例えば9枚だったら1枚当たりの寄与率は1/9 = 0.111・・・枚となり、気持ちが良くは無いです。

フォトショップ等、マニュアルで重ね合わせる際は計算などの注意が必要ですが、ステライメージ等の各種ソフトウェアでコンポジットする際は7枚でも11枚でも中途半端な枚数のコンポジットを自動で行えますので、寄与率の「気持ち悪さ」さえ堪えられれば(笑)、大した問題では無くなりました。


このトーナメントを使って、コンポジット枚数と高質化を以下にまとめてみます。

T2.jpg

↑シグナル強度が2のフレーム8枚をコンポジットすると、シグナルは8倍の16になります。


T3.jpg

↑重ねれば重ねるほどノイズが減るとは、こういうことでしょうか。。。
ノイズが1の輝度であるフレームを8枚重ねると、トーナメントではこう書けます。
が、減るのは間違っています(輝度があるものを足して減るというのは論理が破たんしています)。


T4.jpg

↑ランダムノイズに関してはこちらが正解。
2枚コンポジットしてノイズは√2倍。8枚で√8=2√2倍(約2.8倍)。

冷却CCDだろうが液体ヘリウムで-270℃まで冷やそうが、ノイズは出ます。
理想的にダーク減算がうまくいっても、ノイズは消えません。

横道に逸れますが、減算はげんざんです。げんさんでも間違えとは言えませんが、かなり一般から外れます。
減算値はげんざんちです。げんさんなら「源さん家」になっちゃいます。
結構、げんさんって言われることも多いです。。

ノイズが無いから大丈夫♪というのは、ノイズが眼で気にならないだけで確実にあります。
本当にノイズが無いというのはR=G=B=0です。クールピクセル(笑)
(↑間違ってます・・・ 9/6追記)


最終的に写真の質はシグナル―ノイズ比(S/N比)で表されます。
シグナル(星など)の輝度が2、ノイズの輝度が1の写真を8枚コンポジットすると下のようになります。
(そんな低質な写真も無いのですが)

T5.jpg

S/N比が2の写真を8枚重ねると2の8倍の16ではなく、2の√8倍の4√2の絵が完成します。

一言で言ってしまえば、
「N枚重ねた時、シグナルはN倍、ノイズは√N倍、よってS/NはN/√N。有理化してS/N = √N」


100枚重ねると100倍の質の写真ではなく、√100=10倍です。
100枚も使って10倍かよって感じかもしれませんが、人間の目はそういった質感に対するダイナミックレンジが低く、10倍と言えば圧倒的に質がいいと感じるはずです。


私は今の所、一晩で完結したいタイプで、平日ともなるとそんなに時間も撮れません。
10分8枚を基本としています。撮れても8~12枚前後が多いです。
8枚は1枚の寄与率12.5%、S/N向上は√8=2√2(約2.8倍)。

もし9枚なら。
寄与率が割り切れなくて気持ち悪い気もしますが、コンピュータ任せで気にしないことにして(眼では全く分かりません)、S/Nは√9=3倍という気持ちいい結果となります。

数字にしちゃうと2√2倍も3倍も、目には変わらないかもしれません。
目に分かりにくくても、より高質化を望むためには、枚数がおかしくても多ければ多いほどよいことになります。

まぁ、数字遊びをすればこんな感じですが、実は均一な質の写真を多枚数用意することが一番難しく、また、そこが醍醐味で面白い所なんじゃないかと、、、今気が付きました(笑)

やっぱ、現場でニヤニヤしながら、時にブーブー言いながら撮るのが楽しいんですよね~。






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IC1396 これは難しいなぁ [天体写真]

先日アップした網状星雲の前に撮ったものです。

IC1396_140826.jpg

2014/08/26 20:27露光開始 石狩市厚田区別狩 13℃ 
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION ShortTube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
5分x24枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク8枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)

前回、酷いシマシマノイズ(モアレっていうんでしょうか)で、リベンジと思ったのですが、ビビって1コマ5分にしました。。

ビビった甲斐あって、シマシマは出ませんでした(嬉)

ですが、なんかイマイチ。
ダークが引き切れていない。5分露出ダークのライブラリーが少なくて、かき集めたのですが、あまりマッチしなかったようで最後は処理で頑張ってみましたが、荒い箇所があります。

コレ、難しいと思いました。
全体がべったり赤かったので、濃淡つけようとゴリゴリやったのですが・・・。

多分もっと良くなる気はしますが・・・・あまり面白くない(笑)
来年はスルーして忘れた頃に撮ります。
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ジャック彗星 Jacque (C/2014 E2) [天体写真]

IC1396(左下)に接近中のジャック彗星C/2014 E2。

3分1枚
jacque_one.jpg

恒星基準コンポジット 3分7枚 核が無くなった(汗)
jacque_star.jpg

核基準コンポジット 3分7枚 (左やや上方向にうすーーーい尾)
jacque_core.jpg

2014/08/31 01:59露光開始 石狩市厚田区別狩 14℃ 
FSQ-85ED 450mm F5.3
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION shorttube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
3分x7枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク8枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)


去年からいくつか彗星を撮りましたが、これは移動量が大きい(速い)印象です。
3分でも結構な移動量でした。

魅力的な星雲付近を動くので楽しそうですね。
これを書いている今頃は、IC1396と重なっているはず。

Jacqueです。ジャックって読めます?
ジャクーかなと思うのですが。
まぁ、カタカナで書く以上どれも正解じゃないのでいいんですかね。


同好会各位>家族サービスデーでイベント欠席でした。すみません。


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久々だけど、またそれかっ [天体写真]

ami140826.jpg

2014/08/26 23:46露光開始 石狩市厚田区別狩 9℃ 
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION shorttube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
10分x9枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク12枚、フラットRGB各8枚、フラットダークRGB各8枚)


久しぶりに晴れました♪
ほぼ1か月ぶりの晴れでしたが、凄まじく良く晴れてくれました。
天然プラネタリウム。

コレの前に、IC1396のリベンジ撮影をしたのですが、アレは難しいですね・・・。
その後で撮った網状。
何を撮るか全くノープランでしたので、コレになっちゃいました。
平日だったので、早く帰ろうと思っていたのですが、あまりに良く晴れていたので撮ってみました。

いい空だったけどこの程度なのは、たぶん腕のせいだと思われます。

昇るすばるを見ながら網状の撮影。ん~、何か不思議な感じで楽しかったです。

特に意味のないクローズアップ。網西。かっこいいなぁ。
ami140826west.jpg


網東。
ami140826east.jpg

まぁ、アップにすると色々ダメですね。


およそ1年1か月前(2013年7月17日)の網状。
ami_all130717.jpg

ほ~、うまくなったね(笑)

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泣けてきた [天体写真]

IC1396。カメラトラブル(?)でかなり汚いです。

1396.jpg

2014/07/28 21:35露光開始 石狩市厚田区別狩 16℃ 頻繁にガスが湧いて透明度悪し。
FSQ-85ED /w x0.73 reducer 327mm F3.8
ISO:1600
EOS Kiss X5 改造+LPS-P2光害カットフィルター
SXP赤道儀
ORION shorttube80、SBIG ST-i + PHD guidingによるオートガイド
10分x12枚
トリミング無し
画像処理:RAP2, SI7, PSCS6 (ダーク2枚、フラット8枚、フラットダーク8枚)

泣けました。
フォトショップのレイヤーが59枚とか。
繊細な部分や、微光星がみるみる死んでいきました。
最後にCameraRawで、ダメ押しのノイズ処理てんこ盛り。
妥協点を探るような処理で、満足度3%。
極彩色のノイズにまみれた写真からのリカバリーという意味ではやや満足ですが、リカバリーになっていないという話もチラホラ。


縞々ノイズの元凶は主にダークでした。
今日は部屋でダークを撮って縞々の検証をしたところセンサー温度が28度以上で縞々が現れました。
それ以下の温度だと見えません。
このノイズ、温度依存と言えそうです。

いろいろ検証した結果、今回は2枚だけしかダークが使えない。
全くワークせず、フォトショでだらだら延々とノイズ処理。
つまんねーーーーーー。

ライトフレームも詳しく見ると少~しだけ縞々あり。。
フラットは撮影時のセンサー温度が20℃で、縞々確認されず。露光時間が圧倒的に短いですからね。。
感度に起因する縞々ノイズは久保田様による検証で、同感度のフラットで補正できます。
言われれば理論上は正しいです。
が、フラットに縞々がない以上、補正は効きません。。。(利きません?)

夏の対象を全然撮れていないですが、早く気温下がればいいなぁと思う今日この頃。
同時にカメラがよろしくないような気もしてちょっと憂鬱。

その前に晴れてくれ。。。



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カメラが・・・ [天体写真]

7月28日(月)、GPVが真っ黒だったので行ってみました。
約1か月ぶりのシャッターオープン(嬉)

しかし、かなりのガス(霧)が辺りを覆い、かなり透明度が悪い状態でした。
鏡筒も赤道儀もベチャベチャ。髪もしっとり。。。

でも撮影できる喜びがあったので、いいことにしました。
浮かれすぎてバーティノフマスク付けたままで40分放置とか(汗)
ちょっとめまいしましたわ。

いつも通りの画像処理をすると。。。。

コンポジット画像を部分拡大↓
tatejima.jpg

うわ、出たシマシマノイズ。
去年も2度ほどありました。
その時に解決したつもりだったのですが、甘かったようで。。

ライトフレームには10分12枚中4枚にシマシマ確認。

ダークフレーム1枚を部分拡大(レベル強調)↓
simasimanoise.jpg

うわ、いたいた。シマシマ。
しかも、ダークフレームがフラットじゃない。
CMOS温度は27~30℃(backyard EOSの値)。
熱由来かな。。
撤収時に地面にカメラをおいてダークを撮っていたのですが、カメラを持った時に確かに暖かいなぁと思った記憶が。

参ったなぁ。
コンポジット枚数が減り、問題のあるダークフレームを排除した結果、ダークの枚数が圧倒的に足りないのかノイズ軽減が不十分。
こりゃ、ボツですわ。。。
と言いながら、粘ってコテコテに処理して何とか絵にはしたいと思っています。
何を撮ったかは、またその内(ばれてるかも知れませんが)。


そろそろCCDか、これ。
嫁さん騙さないと(笑)

あ、フラットフレームはいい感じになりました。
ワンショットフラットは手元のシステムでは難しいので、R用、G用、B用を輝度を変えて撮影して、RAP2のベイヤーマージを使ってやったら、納得のフラットフレームになりました。
収穫があったので、まだ良しとしますか。。

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蝦夷梅雨継続中 [画像処理]

一部を除く本州の皆様、梅雨明けおめでとうございます。
北海道は昼間晴れて夜は曇るのが鉄板でして7月はもう絶望的です。。

三裂干潟、オメガ、わし。。。。今年は絶望ですね・・・。

天候にも恵まれませんが、バイオリズム的にも恵まれていないようで、ちょっと忙しいモードであります。
天文趣味を忘れそうです。

やっと何かする気になったのですがネタも全く無く、苦し紛れのアンドロメダ再処理。
再々々くらいかな。

M31again.jpg

今年は撮れるかな。
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初釧路 [その他]

所用で釧路にいます。
北海道民ですが、テリトリーが狭いので初訪問でした。

kushiro.JPG

釧路と言えば、霧の街。
特に夏場は月に20日は霧が発生するらしいです。
今日も霧というか、海から地面を這って真っ直ぐこちらに向かってくるような感じでした。
海霧と言われるように、何の抵抗もなく海上の霧が侵入してくるようです。
あ、写真では最悪の透明度ですが、天気は晴れ。太陽燦々でした。

駅付近でも海抜2m無いくらいで、あちこちに海抜表示と津波に対する注意喚起がありました。

釧路湿原を一望できる場所に少しだけ行きました。
晴れたらよさそうです。
ちょっと走れば真っ暗ゾーンだと思います(笑)
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今頃クワガタ [画像処理]


画像再修正2014/07/07 少しハードにしました。

kuwagata140706-2.jpg


山に行けばわんさかクワガタがいる時期ですが、ちょっと早いクワガタ星雲とバブル。
ケフェウスとカシオペアの間くらいでしたっけ。。
あ、再処理です。。。

お誘いを受けた某展示会の初出展、構図がイマイチですが、これでいこうかと思います。

kuwagata140706.jpg

星の色を殺さず、背景を可能な限りヌメっとさせつつ、星のシャープさを保った・・・つもり(汗)

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