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アイソン彗星の成長日記と解析ごっこ [天体写真]

10月5日に初めてアイソン彗星(C/2012 S1)を撮影して以来、なんだかんだで6回その姿を捕えました。

ちょっと小さいですが(全て同一拡大率)
ISONs.jpg
(一部、再処理しました。10月19日の満月下の写真は除外。)

10月14日から11月1日の間は撮影できませんしたが、その間の変化率がとても大きいです。

比較的高度が低くシーイングが安定しなかったためと思われますが、見た目の大きさと色が異なります。
また、コンポジット枚数が異なるため、光度はテキトーということになります。
また、方位が常に正確ではありません(これは観測と言う意味ではサイテーだと思います。


個人的に気になるのは尾の長さです。
パンスターズ彗星も言うほど明るくならなかったですが、終盤は立派な長い彗星らしい尾を見せてくれました。

自分で撮った写真から尾の長さの変化をまとめてみました。

以下は、私の光学系で得られた値、あるいは期待できる値であって、違う光学系、違う露光時間では全く別物になると思います。全く正しくないといっても過言ではありません

計算に用いた撮影データは、
焦点距離:327mm (暗いので明るく撮ろうと思って全てレデューサー付きです)
カメラEOS Kiss X5のCMOSサイズ:22.3mm x 14.9mm
ピクセルサイズ:4.3μm x 4.3μm
視野角:3.9° x 2.6°
1ピクセルの角度:2.71" x 2.71"
全てステライメージによる算出です。

火星と彗星の最接近の際(10月19日)は満月でしたので写りが著しく悪く、データから除外しました。

尾の長さの経時変化↓
ISONanalysis1.jpg

サンプル数が少ないのでアレですが、二次フィットの方が直線フィットより相関係数が高かったです。
まぁ、直線でも大きな違いは無いですが。

近日点の尾の長さの予測をしてみました↓
ISONprediction1.jpg

近日点に予想される尾の長さは、約44分となりました。
(くどいですが、私の環境下での話です。)


「光度が予想より上がらない」と言われているようですが、何とか肉眼観測が可能なところまで明るくなってほしいなぁ~。
コメント(2) 

コメント 2

雲上(くもがみ)

なるほど、以前naoponさんが彗星の尾の長さを聞かれたのは
このためだったんですね。

わたしも11/6amでアイソン彗星19’以上と答えましたが、
尾の長さは肉眼で見ればとか、この撮影機材でこのくらい露出をかければとか
測定条件を決めないと変わっちゃいますよね。(どこまで尾が?も含め)
同じ条件で相対的な変化を見るところに予測の意味があるわけで・・
それにしても予測結果44分はちょっとさみしいですね。
by 雲上(くもがみ) (2013-11-10 14:04) 

naopon2013

そうなんです、その節はありがとうございました。
雲上さんの19分という値は、このグラフの誤差範囲内です。
ちょっと嬉しかったです~

ただ、尾の長さは彗星の光度に比例・・・とまではいかなくても、普通の望遠鏡で見る限りは、正の相関があると思います。なので、よく見る「光度の予測曲線」にフィットさせる方がいいのだと思いますが、あの曲線の理論式が分からず・・・。

まぁ自分の写真で出来るお遊びと言うことで。
急に明るくなって、長いの出てこないかな~
by naopon2013 (2013-11-10 21:34) 

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